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世界観説明ログ(1)球体類実験、および空の宗教

TOPIC:球体類実験、および空の宗教

話す人: イヌヤマ ケンシ

 

「球体類は基本的に“破壊不能物体”。どんな攻撃をしても壊れないし、精神的苦痛もあまりない。ただしダメージが基準値を超えたら動かんくなる。いわゆる“行動不能状態”(バイタリティ・ゼロ)と呼称される状態だな」

 

 

「んで、もちろん球体類の活動限界を知るためにダメージ付与実験、たとえば水没、火傷、薬品投与、潰したり 殴ったり…そういう実験を行うこともあるよ」

 

「基準値を測るための基礎研究な。もちろん、実験協力のアルバイトとして応募があった個体のみを被験体とする。報酬は日給マキシムトマト10個。空通貨に換算すると100,000セン」

 

「この手の拷問を行なっても復活させれば元どおり。球体類はピンピンしている。もちろん疲労や睡眠欲などの症状は出るが、“労働”から来る症状ってカンジ。ダメになるのはヒトの研究者のほうだなー。だいたいは精神を病んで続行不可になる…まーそんな頻繁にやるような実験じゃないけど」

 

「このような実験をしているという事実が、まー球体類研究分野に人が集まらない理由の一つでもあるかな。」

 

「あ、ちなみに“断食”だけは絶対にダメだ、あれだけは人道的…いや“球道的”にNG。精神的にダメージが凄いし、何が起こるかわかんない…30年ほど前、一度試した民間の研究機関があったが、そこに所属していた研究員は一人残らず死亡、機関も潰れちゃった。」

 

具体的な話はちょっと避けておきますとイヌヤマはコーヒーを一口。

 

「それから…ヒトの中には嗜虐的欲望を満たすためだけに、球体を捕獲、保有してアレコレとまあ非道なことをするような輩もいた」

 

「しかし!マジでびっくりなんだけど、おそらくここ100年で10件ほどしか事例がない…」

 

「なぜこんなに少ないと思う?考えられる原因は2つ。1、球体類をいじめても、彼らは大して苦痛を感じないから飽きる、もしくは根をあげる。2、これらのケース、調べると加害者達は“必ず” 悲惨な死を遂げている…という事実がある。球体類にもちゃんと感情があるから、怒らせてうっかり殺されちゃうって感じ」

 

「球体類は我々の手で扱うには余りにも未知、未開拓、とっても危険。つーことで空には“球体類は触れてはならない禁忌”という共通認識がうっすらとあるワケ。畏怖の対象だな。」

 

「だから、フィスアム(phisamm)みたいな宗教が生まれる。もう1000年以上続いているとされている、球体信仰の宗教ね、“ファ・イー”というはるか東に浮かぶ島で根強く残っている文化。センセイ一回あそこフィールドワーク行ったことあるんじゃね?」

 

遠くでセンセイはぼんやりとした返事をかえす。

以上

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DATA

イヌヤマ ケンシ(male)

[概要] “夜をたくわえる森”プラトトテネス出身。 現在は“空に浮かぶ科学都市”カルムザイオン在住。 某私立大学を首席で卒業後、同大学で2年ほど助手を務めたのち カルムザイオン国立研究所 文化人類学研究センター 中途入社。所属は球体類観測分室。 [容姿] タレ目、中肉中背、髪は中途半端な金髪(自分でブリーチしているようだ)、ピアスが5個ほど空いている、PC中だけブルーライトカットの眼鏡。よく言われる第一印象は「DQNかと思った」。 [特徴] きわめて優秀、何事もソツなくこなすが、欲がない。 安定志向。